経営組織論

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  • 後期開講の経済学部専門科目「経営組織論」に関連する情報や授業の記録を掲載していきます。

期末試験に関して

  • 期末試験は、2月12日(金曜日)に終了しました。試験を受けた4年生は、全員、単位は出ています。

2009年度  授業記録

  • ■基本的視座
  • ・世界と人間を複雑なものとして捉えるとはどういうことか
  • ・環境とは何か
  • ・人間が自由であること=不気味な存在
  • ・人間は狂ったサルである
  • ・行動は選択として(他でもあり得たこととして)現れること
  • ・人間は予期(思い込み)で楽に生きていけるようになっている
  • ・行為と振舞の違いについて
  • ■コミュニケーション論
  • ・コミュニケーションの伝送モデルの問題点
  • ・受け手の立場からコミュニケーションを見ていく
  • ・3つの「分かる」が関わる
    • 1:何が伝えられたか(情報、意味)が「分かる」こと
    • 2:どのように伝えられたか(伝達、意図)が「分かる」こと
    • 3:それがメッセージであること(見出し)が「分かる」こと
  • ・意味が分かる=違いが分かる
  • ・違いが分かるためには「思い込み」(積極的な関与)が必要
  • ・思い込みが必要な以上、100% の再現などあり得ない
  • ・伝達の意図においても同様の「違いがわかること」が必要
  • ・伝達においては、なにも伝えられないことが「違い」としてメッセージになる
  • ・情報の意味が全くわかない場合でも、伝達の意思(受け手に選ばれたこと)は「伝わる」
  • ・動物や生まれたての赤ん坊とのコミュニケーション可能性
  • ・意識や心がなくても(あるかどうかわからなくても)コミュニケーションできる
  • ・何も全く伝わらないという 0% もありえない
  • ・何かがメッセージであると見出してしまうこと
  • ・メッセージとはモノやコトの性質ではなく、「わざわざ性」を見出してしまったもの
  • ・メッセージだと見出した瞬間、それに巻き込まれる
  • ・言葉は、それがメッセージであることを明白に示す特異な媒体
  • ・メッセージを見出すと巻き込まれる
  • ・「わざわざ性」=痕跡
  • ・痕跡として、そこに送り手=他者の存在を想定する
  • ・コミュニケーションとは、情報・伝達・見出しの3つの選択の統一
  • ・間で起きる出来事であり、当事者が完全にはコントロールできない
  • ・我々にとっての「社会的なもの」の根幹
  • ・コミュニケーションは送り手の行為として観察・了解される
  • ・伝送モデルは、起きてしまったコミュニケーションを了解するための図式
  • ・メッセージの見出しと、その受容/拒否とは別
  • ・メッセージを受けとったら、どうするのかという選択を迫られる
  • ・コミュニケーションそのものは目的をもたない
  • ・受容や合意は、コミュニケーションを通して目指されるもの
  • ・コミュニケーションについてコミュニケーションできるという特徴
  • ・行為として押さえられることで言及することが可能
  • ・「なぜ」と問いかけられるということ
  • ・コミュニケーションは取り消せないが、意味付けを変えられる
  • ・コミュニケーションは未完了
  • ・「なぜ?」に応えることがコミュニケーションに関与する者の責任=応答可能性
  • ・一つの名を引き受けること(なぜの宛先を担うこと)
  • ■恊働論
  • ・恊働=コミュニケーションの安定的継続
  • ・相手の反応を予想して動こうとすると堂々巡り
  • ・時間のなかでは、どんなことも(なにもしないことも)選択として現れる
  • ・なんであれ選択を見出せば、それを手がかりに思い込み=予期を作れる
  • ・互いの思い込みが整合的であれば(一致する必要は無い)コミュニケーションは継続可能
  • ・予期は、相手の人物像(人格)に関わるものと、状況(役割)に関わるものに分けられる
  • ・この区分けが明確化していくことが、相手を分かっていくということ
  • ・ただし、区分けは絶対的なものではありえない
  • ・人物に対する予期を人格と呼ぶ(可能性の制約)
  • ・状況に関する予期も、状況と役割(ポジション)に分かれてくる
  • ・そのうち、関係自体に関する予期も生まれてくる
  • ・こうした思い込みが出来上がっていき、焦点が絞られてくることで、関係が成り立ってくる
  • ・コミュニケーションの継続の中で予期がしぼられてくる
  • ・予期は記憶があることによって生まれる
  • ・互いに記憶を持っているということ
  • ・記憶とは、すべてを覚えているということではなく、過去を現在の選択の手がかりにできること
  • ・繰り返される中で、でたらめでない何かを見出し、それを「変わらないもの」としてつかむ
  • ・人格のような、ある種のもの、あるいはものの現れとして了解していく
  • ・法律、法則、常識…… すべては予期として我々に関わる
  • ・予期は規範的と認知的に分かれる
  • ・予想外の出来事を例外処理する(=予期は変更しない)のが規範的
  • ・予想外の出来事で予期の更新をするのが認知的
  • ・予期の安定化=一般化
  • ・一般化は時間的、内容的、社会的の3つの方向性を持つ
  • ・時間的一般化=時間が経っても通用すること
  • ・内容的一般化=個々の出来事に振り回されないこと
  • ・社会的一般化=相手の内面を考慮せずに通用すること
  • ・恊働においては、人格や役割としての予期が生まれることで、時間的、内容的な一般化がすすむ
  • ・人格=かわらない「もの」に結びついた予期=内容的一般化
  • ・社会的一般化は、恊働では強くは働かない(誰であるか、が重要なので)
  • ・恊働している集団が一つの名をもつとき、恊働システムが成り立つ
  • ・名によって「おなじもの」として名指せるし、記憶の共有がなされる
  • ・外部に対して一つの存在としてコミュニケーションできる
  • ■組織論
  • ・組織の特徴=人の出入りがあっても「同じ」システムであること
  • ・組織(の本質):「二人以上の人々の意識的に調整された行為のシステム」
  • ・行為のシステムであって、人のシステムではない
  • ・人間は、組織の外部にある
  • ・人間と組織は、システムとシステムの関係にある(個と全体、部分と全体ではない)
  • ・人間は、組織の要素=行為を提供する
  • ・システムは、あらかじめ存在する要素を集めて作るものではない
  • ・システムは、自らの要素を自らが規定することで存立している
  • ・関与する人間の振舞を、ある組織の行為として意味付けて繋げていくのが社会システムとしての組織
  • ・様々な振舞が、その都度、行為として関連づけられ繋げられていく、その継続がシステムというもの
  • ・人の出入りがあっても「同じ」システムであるためには、共有された記憶に依存する予期を軸にできない
  • ・明確化・明文化された予期を軸として、これを受け入れることで組織は成立する
  • ・中心的な予期の承認を条件としてメンバーとそうでないものを分ける
  • ・互いにメンバーであること=共通の予期を軸にして調整が可能
  • ・予期を受け入れているかどうか、ということだと内面の不透明性にぶつかる
  • ・互いに「予期を受け入れていると見なしてよい」ということで回避
  • ・中心的な予期=メンバーの条件と結びついた予期のことを公式的予期
  • ・メンバーというものによって、個人的なものを切り離せる
  • ・個人的=人格的な交流も互いにメンバーであることに条件づけられる
  • ・加入と脱退という非連続性が明確にあることで反省的視野を得られる
  • ・交替可能性によって同調圧力が加わる
  • ・商品経済=労働市場の成立が大規模組織を可能にする
  • ・労働市場があることで選考を二次的なもので代替可能になる
  • ・報酬(見返り)がメンバーであることにリンクされる
  • ・参加の個人的な欲望は、すべてメンバーであることを求めるものとして一般化
  • ・欲望の一般化は貨幣が可能にする
  • ・公式的な予期の安定化として時間的、内容的、社会的の3つの側面
  • ・公式的予期は成員資格と結びつくこと時間的に安定化
  • ・時間が経過しても妥当性は揺るがない
  • ・決定によってのみ変更可能
  • ・決定による環境適応は遅れを伴う
  • ・内容的一般化は成員役割の明確化による
  • ・役割は非人格化・分離
  • ・人格と役割が直接結びつかない
  • ・人が変わっても「同じ」役割を担う
  • ・同じ人でも違う役割を担う
  • ・複数の役割を担う場合でも、相互に分離
  • ・非公式的な役割も発生する
  • ・社会的一般化は、互いに予期に従っている(合意している)と「みなせること」
  • ・互いに「見なして」扱ってよい
  • ・合意していることに個人的なイニシアティブはない
  • ・正当な手続によって決定されたことは、自動的に全員が合意したものになる
  • ・手続による合意形成過程が成立
  • ■動機づけ
  • ・仕事=他人のために何かをすること
  • ・他人のためにという気持ちは、日常的には感謝
  • ・コミュニケーションによって動機づけられる
  • ・公式組織では動機の一般化が成立している
  • ・公式的予期の承認・合意、権威への服従
  • ・「仕事ならする」という未規定な動機が確保される
  • ・貨幣を媒介とした欲望の一般化(抽象化)に依っている
  • ・具体的な行為は、変更可能
  • ・動機の一般化=権威の一般化
  • ・「上司の言うことなら聞く」
  • ・その都度の動機の喚び起こしは不要
  • ・無関心圏、無差別領域が確立
  • ・純粋な上下関係(指示の伝達のみでよく、説得などは不要)
  • ・仕事の変更可能性、柔軟性(弾力性)が生まれる
  • ・情報に仕事への指示として権威を持たせられる(派生的権威)
  • ・動機は組織の目的とは結びついていない
  • ・目的すら変更可能
  • ・個人目的と組織目的の分離
  • ・参加の動機と仕事への動機の分離
  • ・仕事への一定の無関心
  • ・公式組織ではこの分離と無関心は原理的なもので解消不可能
  • ・個々の仕事へのいっそうの動機づけは、インセンティブ・システムとして様々に運用される
  • ・貨幣以外に、仕事、地位、職場、評価等
  • ・組織の活用できるリソースは有限
  • ・最適解はない
  • ■システム分化
  • ・役割分担、分業
  • ・目的のための手段へと分割することだけではない
  • ・存続のために必要な役割(目的実現だけでは組織は存続できない)
  • ・行為は分離不可能
  • ・部分/部品への分割ではなく、下位システムへのシステム分化
  • ・下位システムは、自分たちのシステムの存続をはかりつつ、機能を担う
  • ・システムの中にシステムを作り込んでいく
  • ・個人の役割分担も、システム分化である
  • ・下位システムは、果たすべき機能と対応した特定の環境に向かい合う
  • ・下位システムは、全体システム(他の下位システム)との関係も環境になる
  • ・二つの環境に取り囲まれる
  • ・特定の機能/役割を担う=対処すべき環境も限定される
  • ・環境が分割されることでもある
  • ・他の環境のことは「気にしなくてよい」ために適応の負荷が下がる
  • ・負荷が下がり、特定の学習も可能になることで、適応性(生産性)が上がる
  • ・下位システム同士の対立やコンフリクトが生じる
  • ・分裂傾向をはらむ
  • ・外部の環境の問題が、内部の対立問題へと転化され、解決が図られる
  • ・分裂傾向は、公式組織においては、調整的な観念の承認によって回避される
  • ・自分のみ知らぬ、事情も分からない、でも同じ組織で仕事をしているメンバーがいる
  • ・システム分化は、行為や作業の分割ではなく、特定の機能=環境に関する決定権(決定の優先権)の分割である
  • ■ポジション・システム
  • ・柔軟な変更が可能なように部分領域に分ける
  • ・ポジションという概念装置を軸に編成が行われる
  • ・メンバーはそれぞれが異なったポジションにつく
  • ・ポジションに対して:
    • 個人が割り当てられる
    • 遂行すべき課題(仕事)が割り当てられる
    • 限定された権限と責任が割り当てられる
    • 限定されたコミュニケーション経路が割り当てられる
  • ・個々の側面がすべて変更可能
  • ・ポジションに結びつけられていることによって、それぞれを分離的・単独に変更できる
  • ・各側面が直接結びつくのを避けることができる
  • ・ポジションの編成自体も変更可能
  • ・環境の変化という問題に対処するために、ポジションの諸側面を変更して適応→柔軟性
  • ・固有の問題も生み出す
  • ・個人の自己表現の歴史(経歴)が配慮されない
  • ・特定のポジションで行為することは、必ず、そのポジションを介した自己表現を生む
  • ・自己表現への配慮の必要性
  • ・新しい問題が発生した時には、新たなポジションを作って対処という増築傾向
  • ・増築するほどにコミュニケーションのコストが上昇
  • ・予想できないことが起こることにそなえて曖昧な課題規定にしておくという手段もある
  • ・曖昧さは公式組織としての安定性を脅かすリスク
  • ■ステータス
  • ・ステータス=地位、肩書き、役職と呼ばれているもの
  • ・対人行為の場面における序列を決定
  • ・相手とどのように接するべきかという認知的な枠組み、類型を与えてくれる
  • ・関係を作り上げるための資源
  • ・場面に可視性を与え、秩序を生み出す
  • ・公式組織でも、ステータスは状況の大枠を生み出す機能をもつ
  • ・公式組織外部に基礎をおくステータスは認められない
  • ・公式組織では、ステータスの一般化がなされる
    • 時間的:メンバーに間違いなく承認され、妥当し続ける(成員義務)
    • 内容的:論理的一貫性(序列が明確)
    • 社会的:すべてのメンバーはステータスを持ち、それを承認する義務がある
  • ・ステータスを確立し維持する装置:儀式、印、称号などが用いられる
  • ・上下の区別による図式化がなされる
  • ・上下図式による秩序化
    • ポジションの秩序
    • ポジション間の距離という捉え方
    • 権威の上から下への行使という捉え方
    • 優先順位の序列
    • 服従の合理化
  • ・上下図式のシンボルによって、多くの行動規範を持ち込むことが可能になる
  • ・ステータスはポジションに割り当てられる
  • ・ステータスと個人は、互いに変更可能
  • ・両者の結びつきは決定による(任命、昇進)
  • ・公式ステータスと自己表現の結びつきのあり方が様々な問題と行動様式を生み出す
  • ■決定と責任
  • ・決定=予期に反応する行為、予期を用いて観察される行為
  • ・予期に従うのか否か(同調/逸脱)の選択が含まれる
  • ・公式組織では、公式的な行為はすべて決定である(みなしうる)
  • ・組織=決定のシステム
  • ・メンバーは自分の行動が決定として扱われうることに備える
  • ・決定しないことも決定になってしまう
  • ・決定は確実であることが求められる
  • ・不確実性を吸収するのが責任
  • ・責任は、コミュニケーションによる不確実性の吸収
  • ・根源的責任:コミュニケーションで「なぜ?」に応える覚悟=応答可能性
  • ・日常的な責任の状況:
    • 決定の連鎖と不確実性への対処
    • 決定行為への予期
  • ・不確実性を吸収した決定が、他者へ影響を与える場面に発生する
  • ・責任の二つの側面:
    • 自分に向けられた予期(決定圧力)を引き受けて適切な決定を行う
    • 自分の選択結果(決定内容)が後続の行為に適切なものにすること
  • ・前者は遂行責任:責任をもって仕事をする
  • ・後者は結果責任:仕事の責任をとる
  • ・公式組織でポジションに公式的に割り当てられるのは結果責任
  • ・権限と対になって割り当てられ、失敗を避ける義務として、失敗の場合の釈明義務としてある
  • ・結果責任=説明責任、ただし単なる情報開示義務ではない
  • ・遂行責任は、不確実性へのチャレンジである以上、公式的な規定は不可
  • ・遂行責任は、それを担うことを「呼びかけられる」もの
  • ・問題が生じた場合には、必ず個人の責任問題へと行き着くことになる
  • ・責任が帰属されるのを回避する行動様式がとられる
  • ■コミュニケーション経路
  • ・結果責任の割当=排他的に決定権を分化
  • ・公式のコミュニケーション経路には確実な決定のみが流れる
  • ・公式的コミュニケーション・ネットワーク:発信者側も受信者側も、どのように行動するべきか公式的に規定
  • ・公式ネットワークを通る情報は、それ自体が公式的なもの
  • ・公式的な情報としてシンボル化され、処理される
  • ・公式ネットワークは閉鎖的
  • ・コミュニケーション経路の特定化(限定、方向付け)による情報処理能力の向上
  • ・公式コミュニケーションでは動機づけは不要
  • ・補完的な非公式的経路か形成される
  • ・調整のためには集権的なネットワークが効率的
  • ・ネットワークにネットワークを重ねて行く、多段階的なヒエラルキーが作られる
  • ・公式的なネットワークがうまく機能するためには、公式/非公式の切り替え・使い分けによる部分が大きいが、そのこと自体は公式的には規定できない
  • ■組織構造論
  • *省略(試験範囲からは除外)
  • ■中間管理職(上司)
  • ・指導とは、一般的には、予期を作り、それを維持すること
  • ・予期をシンボル化(言語化)し、コミュニケーションにのせる
  • ・リーダー:原初的には個人的な尊敬を基礎として影響力を持つ
  • ・公式組織では、公式的に任命された上司
  • ・上司とは:
    • 時間的:継続的な在任期間
    • 内容的:限定された権限と責任
    • 社会的:明確に割り当てられた部下をもつ
  • ・上司はリーダーではない
  • ・指導を受け入れる動機づけは不要(尊敬の念などは不要)
  • ・服従はメンバーの条件
  • ・上下関係はポジション&ステータスで規定
  • ・公式的な権威は個人的な影響力から切り離される
  • ・ネットワークの結節点(中間)
  • ・二つのネットワークの情報の流通をコントロール
  • ・責任1:下から上への情報伝達(報告)
  • ・責任2:上から下への行動計画の具体化(指示)
  • ・情報処理機能が重要:情報の通過を制限することで、分化・階層の区分を維持し、負担を軽減
  • ・結節点としての困難:
    • 状況と相手にあわせて役割が交替
    • どちらのネットワークにも「良い顔」をしなければならない
  • ・非公式的な指導力を獲得できる:上層部への影響力の加減が部下への恩恵になる等
  • ・非公式であるが故に、上司個人の自由になる
  • ・公式的に規定されたものでないが故に、取引材料(駆け引きの手段)となりうる
  • ・非公式的指導力は、公式的な機能を果たす補助手段(公式/非公式の使い分け)
  • ・公式組織は、上司の非公式的な指導力が生じる余地を与える(直接的には規定できない)
  • ・人事権、公式化できる権限等、ポジションがもたらす潜在的機能に基づく
  • ・上司のポジションは、支配から仲裁へと軸を移す
  • ・集団のコンフリクトを引き受け、自分の内的な葛藤に変換
  • ・上司という自分のポジションを経由させることで、コンフリクトの解決の可能性を生みだす
  • ・秩序問題を個人のジレンマにすることで、新たな解決技術が導入される
  • ・コンフリクトの司法的解決、創造的解決、あるいは時として積極的に解決しないこと
  • ・結節点として重層的な(矛盾する)状況に関わる中で、一貫した態度が要求される
  • ・個人的な自己表現能力の技能が問われる
  • ・上司は、その機能を、公式的な機能のみで遂行するわけではない
  • ・成功するには、人格的なものに依存する(交替時に問題を引き起こす)
  • ・しかし、その成功のための条件は、公式的な行動準則にはなりえない
  • ・公式組織において、実際の仕事の遂行にあたっては、個人の裁量・技能が、否応なく関与せざるおえない(だが、公式的に関与させられるのではない)、その一つの例
  • ■境界上のポジション
  • ・外部のシステム(環境)と取引をする仕事の現場の人間の行動
  • ・営業、仕入れ、窓口……
  • ・組織の代表となる
    • 代表の行為=組織の行為
    • 代表の行為は、全メンバーが承認
    • 外部に対する組織の理想的表現を担う
  • ・影響の中継点となる
  • ・外部からの刺激を直接、生のまま受けとる
  • ・環境と組織の環境像(想定)との違いを察知
  • ・環境の変化に気がつく
  • ・環境に合わせる必要性があるため、逸脱の可能性
  • ・組織は、目的にあわせた単純化した「環境」、それとのズレが見える
  • ・組織が目的合理的に編成され、決定のみで変化するがゆえの必然
  • ・ズレがあること=組織が自律的であること、でもある
  • ・境界のポジションでは、それが緊張となって現れる
  • ・生の情報をそのままでは組織内へ伝達できない
  • ・外部の情報を公式的に妥当な情報へ変換する義務→環境の解釈
  • ・不確実性の吸収→責任と同じ問題がふりかかる
  • ・組織には歓迎されない情報(警告)を発信する責任
  • ・発信の責任は個人に帰属される
  • ・責任を回避する行動を誘発:非公式打診、外部権威の利用、慣例の拡大解釈等
  • ・外部とのシステムに対処する=外部システムとの間の秩序化に必要性
  • ・→外部との間で形成される中間システムのメンバーにもなる
  • ・所属する組織と、中間システムの、二つのメンバー
  • ・中間システムで問題が解決されることを組織は「黙認」
  • ・公式組織は、境界上の行為を、直接的な行為規定によって関与することはできない
  • ・境界上のポジションの人間が、具体的に行う行為を、公式化することはできない
  • ・その場、その場で、個人がうまくやることに「まかせる」
  • ・組織は間接的な支援策は可能、ただし新たな問題も誘発
  • ・柔軟なプログラム化(結果をだすことを最優先させる)→目的を達成するのが当然とみなされることで、失敗はすべて個人的な問題になり、構造的な問題がみえなくなる(フィードバックが働かない)
  • ・コミュニケーション経路の限定→他のメンバーが、もたらされる情報の評価ができない
  • ・境界上のポジションでうまく仕事を行う技能やそこで生まれた人脈などは、そのポジションにある個人の手段になる→公式的な統制から外れる、交替を難しくする
  • ・公式的な規定では解決できない問題を個人の裁量に委ねる必要性が、ここでも生じている
  • ■組織における恊働(個人的行動)
  • ・基本的視点:組織と個人は、システムとシステムの関係である
  • ・組織に関与する行為のうち、公式組織が規定するものは部分的でしかない
  • ・組織は、すべての行動を規定するものではない
  • ・組織が成り立つには、予期の公式化以外にも、多くの秩序化の働きを必要
  • ・日常的な行動は、組織に歯車のように「従う」ものではない
  • ・公式的な規定を受けていない行為は、まったく無関係な行為でもない
  • ・組織のメンバーであることが制約や条件としてかかわる、あるいはメンバーであることによって誘発される、そういう行為が多々ある
  • ・公式組織は、公式的予期以外の面でも、メンバーの行動を方向付けるものとしてある
  • ・公式的予期で解決できない問題は、基本的には各人の問題解決能力に任される
  • ・組織は、一人一人の人間が、個人として「ちゃんとする」ことを必要とし、依存している
  • ・個人の行為は2段階の選択になる:一般的・抽象的な大枠を公式的予期が規定し(最初の選択)、それを具体的な状況でどのような行動で実現するかは個人の選択(2段目の選択)
  • ・最終的な決定を、個人という外部のシステムに委譲している
  • ・どんな仕事であれ、幅の違いはあれ、個人の裁量が入りこみ、必要とされる
  • ・現実的な行動様式は、違反行為とみなされないように行為することになる
  • ・「みなされないようにする」点において、さまざまな駆け引きが可能になる
    • 誰が認定するのか、どのような解釈が可能か、先行事例や権威は利用可能か?等
  • ・状況の分化:公式的状況と非公式的状況
  • ・非公式は反公式ではない
  • ・関わりをもつが、公式的には規定されていない/規定されえない
  • ・あくまでも公式組織との関わりの中で分化してくる(誘発される)状況や役割
  • ・非公式「組織」ができるのではない
  • ・互いに矛盾するものであっても、問題にはならない
  • ・組織は、公式/非公式の二層によって矛盾を包容しうる
  • ・多くの機能を組み合わせることが可能
  • ・個人の公式的な行動や役割と非公式的なそれとの矛盾も問題にならない
  • ・それぞれの状況で一貫していることは要求される
  • ・必要に応じて状況の転換を行うこと、あるいはその転換にしたがえること、が必要になる
  • ・コミュニケーション能力のひとつとしての、空気を読むこと
  • ・個人がもつ非公式的な役割は、個人の人格的な側面が強くかかわるものではあるが、その個人の人格の十全の表現ではない
  • ・あくまでも組織にかかわり合う中で表現される個人の断片/断面
  • ・全面的な人格的な交わりからは距離をとることができる余地を公式組織が与える
  • ・行為やコミュニケーションが公式/非公式のどちらでなされたか、ということが選択して意味をもつ
  • ・行為が、つねに裏をもったものとして受けとられる
  • ・公式的な行動が唯一の行動様式ではないことが前提に、理解、駆け引き、調整がなされる
  • ・状況の転換の利用、不用意な公式化の回避などが、個人にとって求められる行動様式
  • ・失敗、逸脱、違反はあくまでも個人に帰責されることへの対処も必要
  • ・個人の「社交的な技能」が要求されることになる
  • ■目的の機能
  • ・組織が目的を持つことはあまりにも当たり前のことのように思える
  • ・人や組織の行動を理解するとき、目的/動機によって「納得する」
  • ・組織において目的の果たしている機能とは?
  • ・組織の根本問題に照らして機能を考える
  • ・組織=システムの根本問題:環境の複雑性と変動性に対処して存続
  • ・目的はこの根本問題の解決のための複数の戦略を可能にする
  • ・1:主観化:主観的な状況定義によって、環境を根本的に単純化
    • 現実についての観念に従って調整
    • 戦略的(制約的)要因と補完的要因に分ける
    • 自分自身のもつ制約と見出される目的は相互規定的
    • 未来の結果の主観的な観念による一つのパースペクティブが得られる
  • ・2:制度化:主観的な観念について合意、承認、共有
    • 目的は行為の基礎として制度化され、メンバーによって承認、指示される
    • 公式化
    • 行動の可能性が互いに縮減されることで、相補的な調整、恊働が可能
  • ・3:環境分化:環境を区分する
    • 目的は、環境分化に適合するように特殊化(手段の目的化)が可能
    • 環境の断片ごとに境界を設定し、関係を安定化
    • 目的を環境の特殊な一部にのみ関連させることが可能
    • 自律性、変動性からの距離は、環境分化によって基礎づけられる
  • ・4:内的文化:システム分化、過程分化
    • 下位システムの形成によって、環境からの撹乱効果を局部化、隔離
    • システムの複雑性は環境の複雑性にあわせられねばならない
    • 目的を原理として、目的−手段の分解による分業、役割分担
  • ・5:構造(規定性):大枠の規定性と具体的な未規定性
    • 目的がもつ規定性は可変的
    • 2段階の選択
    • 環境に対する組織の自己表現にもなる
  • ・目的は、この5つの戦略を同時に可能にするものとしてある
  • ・複雑性と変動性の吸収に関して、多くの面を媒介する、調整する一般化
  • ・二つの方向性がありうる
    • 特定の結果へと特殊化(行為の他の帰結には無関心)
    • 目的内容の一般化(手段や随伴する結果にはオープン)
  • ・環境の中での存続という問題は、目的によって、システム内での取り扱いが可能になる
  • ・目的によって、日常的な行動のための単純化された「環境」像が形成
  • ・複雑性、変動性が消えるのではない
  • ・目的の実現が必ず存続を保証するのではない
  • ・目的設定によって環境との関係が安定化できるのは、環境に特殊な条件が存在するとき
  • ・環境が構造化されているほど、目的実現が存続問題の対処にかさなる
  • ・企業は、経済環境というきわめて構造化された環境の中で活動している
  • ・存続問題のうち、目的によって吸収できないものは、過程による吸収へ任される
  • ・目的の機能の根底にあるのは、因果図式を戦略的に用いるということ
  • ・因果性(原因−結果)は、システムが環境に対処するために戦略的に選択するもの
  • ■リーダーシップ
  • ・リーダーシップとマネジメントは異なる
  • ・リーダーシップ:人々をまとめ、導いていくこと
  • ・一般的なリーダーシップには集団や組織を作り上げて行くことも含まれる
  • ・公式組織では、組織は予期の公式化によってなされるため、組織化はマネジメントの問題
  • ・公式組織において、個人が最終的な組織の活動の実現を担う、そこに働きかけるものとしてある
  • ・人々を「引っ張って行く」のではなく、人々が活動するプロセスを支援するもの
  • ・リーダーシップそのものが生産的なのではない
  • ・リーダーシップは触媒であり起爆剤
  • ・一つのイメージ:ガーデニング(園芸)
    • 草木が育つのは、草木の生命の運動
    • 手入れをするのは、その活動を支援し、そして誘導すること
    • 最終的に思い通りになるかどうかはわからない
    • マニュアル通りにやればいいものでもない
    • リードしようとするシステムの活動に応えながら、働きかけて行く、対話的なもの
  • ・人々の予期にコミュニケーションを通して働きかけて行くことで、コミットメントを引き出す
  • ・遂行責任の呼びかけ
  • ・対話的であることを通して創造的であること
  • ・人々が、自分の活動に対して、「これでいいんだ」という肯定感、「正しさ」の確証を得られるようにすること
  • ・人々が受け入れてこそのリーダーシップであるが、公式組織ではそれが「見えにくい」
  • ・客観的に行うことができない、個人の確信(ヴィジョン)による、ポジションではなく、個人としての働きかけ
  • ・人々のもつ様々な予期の束=物語と、組織の物語とのつながりを作る